ひよこグミ


■2003/01

1/30 夜の校舎窓ガラス磨いて廻った

『ボクが おとなに なったら』

ボク おおきくなったら こどもの きもちが わかる おとなに なりたい

こどもたちと おなじ めせん で よのなかを みて あげたら

こどもたちが なにを みて なにを かんじて いるのか

もっと もっと わかると おもうんだ

−20年後−

「君ね−、しゃがんでパンチラ覗くって」

「いや刑事さん、子供の目線でですね、世のな」

「いい歳して。子供も居るそうじゃないか」

「だから子供の気持ちがわかる大人にな」

「貴様、反省してないだろ!小学生のパンツ見て興奮してるのか、ええ!」

こどもが きもち わるがる おとなに なりました


1/29 通院ワン

ゴホン ゴホン

ボク かぜを ひいたみたい

ママと いっしょに びょういんに いったよ

びょういん には いろんな ひとが いーっぱい

「何でも無いような事が〜幸せだったと想ふぅ〜」

うたいながら ナースコールを れんだ する トラブルメーカーな おじさん

「うちのクソババァがシンナー吸うなってウゼーからボンドでラリったよ」

とっこうふくの おにいちゃんに あつく かたる ボンドガールな おねえちゃん

「観月ありさが居ない。死にたい」

そう つぶやく 、 てくびの きずあとも なまなましい おにいちゃん

「ジョー・ヤブーキー あはは」

へんな がいじん

ねえ ママ、 ぼく ほんとうに かぜで びょういん きたんだよね?

あっ きいろい きゅうきゅうしゃ!


1/23 ジジイが死、遺産がボク

おじいちゃんが ねたきりに なりました

だいすき だった おじいちゃん

ママの おふろを こっそり のぞいてた おじいちゃん

おばあちゃんの きものに マチバリを しこんでた おじいちゃん

パパの さいふ から こぜにを ぬすんでた おじいちゃん

よろけた ふりして おねえちゃんの おっぱい もんでた おじいちゃん

つごうの わるいことは きこえない おじいちゃん

おじいちゃんの いしは ぼくが ちゃんと ひきつぐから!

まずは ママの おふろを こっそり のぞくよ

ソーッ

「あらケンちゃん、何してるの!早く洋服脱いでお風呂に入りなさい」

「は、はーい」

いつもと かわりませんでした


1/22 新外人来日

「ようボブ、元気か?」

「おう誰かと思えば、ピーターじゃねえか」

「お前はもう知ってるか?」

「なんだ?エスカップのCM、遂に降板させられるのか?」

「違うよ。エスカップはオレで持ってるんだから」

「でも今度からボブサップで行くらしいぞ?」

「マジ?」

「ハッハー。嘘だよ」

「脅かすなよボブ」

「ビックリした?ねえビックリした?」

「そんなことより、最近新しい野郎が来日したらしいぞ」

「確かな情報か?」

「ああ、次々に病院送りにしてるって噂だ」

「くそぉ、もう終わりか?サップの時代はもう終わりかよ!どんなヤツなんだ」

「闘った相手は、しばらく生死の境をさまようらしい」

「どんなクソ野郎が来ようが、このボブがぶっ潰してやる!」

「情け容赦ないらしいぜ」

「望むところだ。身長は?」

「それほど大きくないらしい」

「体重は?」

「ウェイトもライトだと聞いてる」

「じゃあアレだ、チョコマカ脚を使うんだ」

「詳しい事は未だわからんが、用心しないと一発でやられるらしいぞ」

「ふーん。で、そいつの名は?」

「インフルエンザだ。ニュースでやってた」


1/21 落し物

こまった こまった

パパのだいじな とけいを おとしちゃった

ぴかぴか ひかる ごじまんの とけい

おうかん みたいな マークが めじるし なんだ

ロンドンで かった パパの たからもの なんだって

あー どうしよー どうしよー

こまった こまった

こうえんで あそんで いたら なくしちゃったよ

だれか しらないかなぁ

あ、ダンボールで あそんでる おじさんに きいて みよう

「おじさん、あのね、 ぴかぴか ひかる とけい、 あっ その とけいは!?」

おじさんの うでに ぴかぴか ひかる とけい はっけん!

パパのと おんなじ とけい! まちがいない!

「おじさんも ロンドン いったんだ」


1/17 忠犬ジョン

人の顔色ばかり伺って媚びを売り世の中を渡り歩く

そうしなければ生きて行けないとでもいうように

それは君の望むべき道ですか?

そんな事を想いつつ、ボクは隣の家のジョンの首輪を外し野に放つ

嬉しそうに尻尾を振りながら、ジョンはボクの腕に噛みついた

あまりの痛さに我を忘れ、気がつけばジョンはボクの腕の中で冷たくなっていた

仕方なくジョンの前足で地面にダイイングメッセージを残す

ヤスなぐるワン

一部始終、隣のオヤジに見られていた


1/16-2 クレーマー

ウィィン

「あのー、すみません」

「いらっしゃいませー」

「先日こちらでテレビを買ったんですけど」

「ご購入ありがとうございます」

「で、ですね、アンテナの配線までコチラでやっていただいたのですが」

「映りが悪い?大変申し訳けございません、ただちに」

「いえ映るんです。はっきり映るんです」

「では…画面がチラつく、とか?」

「いえ、むしろイラつくと言いましょうか」

「具体的に仰って下さると助かりますが」

「実はですね」

「(ゴクリ) はい」

「テレビに小池栄子とMEGUMIばっかり映るんです」

「同じ苦情、今月だけで3件目です」