ひよこグミ


■2003/05■

5/30 3つの袋

「この家には私の居場所がない」

えんがわで おばあちゃんが シクシク ないていたよ

「どうしたの?げんきないね」

「何でもない、何でもないのよ」

なきはらした かおで ちからなく わらう おばあちゃん

「イヤなことでもあった?」

「おばあちゃんは役立たずなの」

「そんなことない、おばあちゃん いろんなこと いっぱい しってるじゃない」

「ケンちゃん・・・」

「よっ、にくいよ この あるく なきぼくろ!」

「ケンちゃん、それを言うなら歩く知恵袋だよ、フフフ」

「あっ わらった! おばあちゃんが わらった!」

「ケンちゃんには敵わないね、ははは」



「ママー、おばあちゃんが やくたたずで いばしょがないって ないていたよ」

「そうなのよ。昨日の夜、テレビ見てたら急に泣き出して」

「なんのテレビ?」

「伊藤家の食卓」

それだ!


5/27 脅迫電話

ブルルル ガチャッ

「はい、もしもし」

「中村さん?」

「はい、そうですけど」

「オタクの息子さんなんだが」

「キミね、初対面の相手に向かってオタクとは何だ?」

「えっ?」

「私の息子に対してオタクとは何だ!」

「い、いや、あの」

「失礼だろ!」

「す、すみません」

「確かにウチの息子はメガネをかけて青白い顔をしてる」

「はあ」

「だからってオタク呼ばわりはないだろう」

「ええ、おっしゃる通りです」

「わかったなら言い直しなさい」

「はい、わかりました。ええと、あなたの可愛いお坊ちゃま」

「誰が可愛いんだ!?」

「いや、だからアナタの…」

「前の旦那の子供を私が可愛いと思うか?」

「そ、そうなんですか?」

「いまだに私には心を開いてくれない」

「はあ…」

「そんな息子を私が可愛いとおもうか?」

「ああ、いや…」

「わかったなら言い直しなさい」

「はい。ええと、あなたに気を許さない息子さんはあずk」

「はいはいはいストップ。もう少し言い方あるよね?」

「そ、そうですね。すみません」

「はい言い直し」

「うーんと、あなたの息子さんは預かった」

「おいおい。今度はハショリ過ぎ」

「ああ、もうヤダ」

ガチャン



「パパ、ただいまー」

「おうタカシ。遅かったな」

「うん。三丁目のタバコ屋のおじさんに捕まっちゃって」


5/22 試しに検索してみたら

「えっ、まだ入るんだ?」

「うん」

「うへー、あれだけ食べたのに、まだケーキ食べるの?」

「昔からいうじゃない、 (ピーーーー) って!」

     ※下は読まずにクリック  ↑

「まぁまぁ、オスカルったら」


5/16 居酒屋

ボクのパパは いざかや で はたらいてるんだ

まいにち 1000にん いじょうの おきゃくさんで にぎわっているよ

さいしょは パパも なきながら おさらを あらっていたんだって

たがくの しゃっきんを せおって すみこみで ひっしに はたらいたんだ

そんなパパのことを ボクは ほこりに おもいます

「ねえパパ、どうして いざかやで はたらくことに したの?」

「うん、よく訊いてくれた。あれは20年前のこと」

「うんうん」

「パパの一番のお友達が結婚したんだ」

「ふんふん」

「パパ嬉しくてね。本当によかったって」

「そうだろうね」

「披露宴が終わって二次会、三次会とハシゴして、最後は四次会まで行ったね」

「うん、よくある はなし だね」

「それがあの居酒屋だったんだ」

「パパの はたらいてる おみせ?」

「うん、そうなんだ。二次会のメンバーも、最後には5人しか居なかった」

「そりゃそうだ」

「パパもテンション高くなって、思わず口走ってたね」

「なんて いったの?」

「今日はオレのおごりだって。まさか他の客まで…」


5/15 交通安全

「はい、手をあげて横断歩道を渡るのよ〜」

あさ はやく から おばさんが きいろの はたを もって いたよ

「おばさん おはよー」

「あらケンちゃん、おはよう。今日も可愛いね」

「うん、よくいわれる。 なんで きいろの はたを もってるの?」

「緑のおばさんって知ってる?」

「しらなーい」

「子供たちが、安全に道路を渡れるように、おばさんが誘導してるのよ」

「ふーん それが みどりのおばさん なんだね」

「そうよ、緑のおばさんよ」

「なんで みどりなの? おようふく みどり じゃないのに」

「名前がみどりなの! おばさんの本名は、吉本 緑。なーんちゃって」

きいろの はたで なぐってやりました

みどりの ちしぶきが あがりました

わー けつえきが みどりだったんだ!


5/14 署長

「う、動くな! 撃つぞ!」

「き、貴様〜、ここが警察署内だってわかってんのか?逃げられないぞ!」

「うるせー!」

「どこの組のモンだ?」

「ひよこグミのケンだよ、文句あっか?」

「ああ、あの変態・・」

「お、お前から始末してやろうか、ああ!?」

「冗談だ、落ち着け。用件は何だ」

「お前じゃ話しにならん。署長を呼べ」

「しょ、署長は外出中だ」

「嘘をつくな!居るの知ってんだからな」

「くっ…。仕方ないな。おい、署長を呼んで来い」

「はっ」 タッタッタッタ…

ガチャッ

「お待たせしました。一日署長の吉岡美穂です♪ かけてミホ☆」

「ファ、ファンなんです。握手して下さい!!」


5/13 短文系サイト内藤

・今日はちょっぴりオシャレして、ノーパンノーヅラ。内藤です。

・ゴミ袋から透けるママの首。内藤です。

・自宅では主にブルマー。内藤です。

・家電コーナーでダビング敢行。内藤です。

・毎年苗字が変ります。斎藤です。

・母に馬乗り。内藤です。

・ハッピに憧れ花火職人。内藤です。

・産まれたての小鹿にパイルドライバー。内藤です。

・葬儀の席でかくれんぼ。内藤です。

・吐き出す碁石が血まみれ。内藤です。


5/7 衰弱

「おじいちゃん、ホラ お粥食べよ、ね?」

おじいちゃんが ねたきりに なって いっしゅうかん

さいきんは ロクに しょくじも しないんだ

つきっきりの かんびょうに ママ ちょっと つかれているみたい

「お粥はイヤなの? 他に何か食べたいものある?」

「…す……ぶ…た……」

「えっ、すぶた? あ、酢豚が食べたいの!? そうなの、おじいちゃん!!」

「ハァハァ …す、すぶ…た…が…」

「わかったわ、待ってて。すぐ作るから。美味しい酢豚、すぐ作ってあげるから!」

「めすぶたが… このメス豚がぁ… ハァハァ…」

「わー ママー ほうちょう ふりまわしちゃ ダメー」


5/6 NAVER Japan

腕によりをかけ練りに練ったネタを引っさげ復帰する予定だったが、こんなメールが届いてしまっては仕方がない

『 この検索窓スゴイですね!! どうやって作るんですか? 教えて下さい! 』

いや、コレ私じゃないから。作ったの私じゃないから。ネイバーのサイトみんな付けてるから

そう想いつつ、返信するが上手く相手に届かない

あれ?おかしいな。エイッ!

やはりダメ。メールが届かない。送信者に返信でメールしている訳だから届くはずなのに…

ひょっとして気合いが足りないのか?

ダッダッダッダダ、今度は助走をつけて送信ボタンを押す。 「ポチッとな!」

一斉に振り向くフロアの人々

ヤベェ、思わず声が出ていたようだ。振り向いた人の数からいって、かなりの声量であったに違いない

「い、言うのはタダですから」

必死にその場を取り繕うが、微妙に言葉選びに失敗した感がある。声も震えていた

 

こんな恥ずかしい想いまでしたというのに、1分後にはエラーでメールが戻って来る

あ、あれか? ポチッとな、とかデカイ声で言ってるからダメなのか?

もう一度よく相手のメールアドレスを確認してみる

sage@oman.co.jp  な、ナニコレ!?