【10】
Healthcare 2
学校で行なわれる健康診断ネタ第二弾。ぎょう虫検査
先生 「明日の朝、お尻の穴にフィルムを押し当て持ってきて下さい」
生徒 「はーい」
先日の失敗を身をもって経験したボクは、同じ過ちはしない
人間には学習能力があるんだ
今回はしっかり自分のケツへ押し当てる
学校への提出を無事済ませ、ほっと安堵の溜息が漏れる
バカ 「ケン君 今回はオヤジのぎょう虫検査かい?がはは」
前回あれだけ痛めつけたのにコリない奴だ
相手をするのも面倒に思え、ぎょう虫だけに無視を決め込む
数日後
先生 「た、大変なの。バカ君(仮)、ちょ、ちょっと廊下に来て」
バカ 「はあ?何だろ…」
一抹の不安を憶えるのか、少し頬が引きつるバカ
廊下には白衣を来たおじさん二名と保健の先生まで待機している
明らかに緊急事態。エマージェーシー。ただ事ではない
身体のどこかが悪いのか?大丈夫か?
バカにでも同情する優しいボクがそこにいた
30分後…
バカと先生が教室に戻ってきた
バカは大泣きしていたのか、目が充血し嗚咽を漏らしている
先生 「えー、みんなにも聞いてもらいたいの。バカ君は先日のぎょう虫検査で、自分の家の犬のお尻を検査してもらいました」
生徒 「!?」
先生 「今日わざわざ保健所の方が見えられて、先生にこう言ったの」
軽くひと息ついてから、先生が話を続ける
「通常、人間に寄生しないはずの細菌が発見されたため、バカ君を隔離し精密検査をする必要があります。先生聞いた瞬間、自分が倒れるかと思いました。やっていい事とダメな事、みんなちゃんとわかりますよね」
生徒 「はーい」
男前 「バカ、お前なんでそんなことしたの?」
バカ 「だ、だってケン君に負けたくなかったんだもん」
男前 「間違ってる、お前間違ってるよ」
バカ 「うん、さっき怒られて気がついた」
男前 「ホントにお前バカだな」
バカ 「うん自分でもそう思う」
男前 「今夜は飲もうか」
大切な友人 「ええ喜んで」
いや当時はまだ未成年だった
しかし、この一件で二人の間にあった氷が溶け、心の中に暖かい風が吹き抜けていった
こうして二人の友情はまた一歩近づいた
大人の階段はまだまだ続いている
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